総合病院を訪れると、長い待ち時間の割に診察時間は極端に短いことがあります。医師は問診中、患者と目を合わせることはほとんどなく、問診票を軽く確認して患者が伝えた症状や経過をパソコンに打ち込んでいきます。触診がある場合でも、じっくりと時間をかけることもあまりないため短時間で終了します。また、触診のない場合は、MRIやCTスキャンの機械による検査に回されることもあります。
医療技術の進歩により、ヒューマンエラーのリスクがない機械の方がより正確な結果が出るため、医療機器に頼る傾向があります。こういった応対は志望動機の欠如により起こってしまいがちです。医師たちの志望動機は様々であると思いますが、人の命を助けたいという根底の気持ちは誰しもが有するものだと思うので、それを忘れずに患者の対応を行うことを心がけることが重要です。
志は人命救助であったにもかかわらず、損得を優先に考え病院の利益となるような不正が行われたり、医療ミスによって人の命が奪われたりすることがありますが、こうした問題も根底にある志望動機を思い出せば防げるはずです。
医療従事者はこれまで詰め込んできた医学知識の他にも、現場で数多くの患者と接してきた経験が備わっています。その経験をもとに、インターネットには記載のない情報や所見を患者にアドバイスすることが、より患者の安心につながり、信頼関係をさらに深めることができるのです。もっと人を診るということを行い、流れ作業にならないように人と人とのコミュニケーションを大切にしながら診療を行えば、新たな医療事故の発生を予防できるのではないでしょうか。